情報処理技術者試験.com |
公式解答発表の功罪
2007-10-18
今秋も試験の季節がやってきました。
試験の出来具合を知りたいのは皆同じで、試験直後は速報サイトにアクセスが集まります。
ところが、少し前から試験センターが試験当日に、一部の公式解答(正解)を公表するようになり、様子が変わってきたのです。
公式解答が出なかった頃の話
ほかの資格試験も同じですが、試験直後には受験生誰もが自分の出来具合を知りたいと考えます。資格・人材ビジネスを展開している会社は、受験生のアクセスを集める好機とばかりに、競うように解答速報を公表します。
ところが会社によって、解答速報に微妙な食い違いが生じます。記述式試験はもちろんのこと、午前の選択式問題でも解答速報が違っていることがよくありました。
原因の多くは、問題文があいまいで解釈が分かれるためで、それらは「怪しい問題」略して「アヤモン」と呼ばれたりしていました。すると、掲示板やメーリングリスト上で、侃々諤々の議論がなされることになります。その過程で、受験生の周辺知識が増えたり、出題内容の適否が明らかになるなどのメリットがあったのです。中には、受験そのものより、受験後に沸き起こる議論を楽しんでいた方も多かったようです。
公式解答が出るようになってから
少し前から、選択式問題(全区分の午前と、基本情報・初級シスアドの午後)は、試験センターが試験当日18時に正解を公表するようになりました。早く正解を知りたい受験生にとって、それはメリットと言えるでしょう。
しかし、大本営発表の正解であるが故に、受験生はほぼ無条件に受け入れます。自己採点して点数が分かった時点で、もう問題を見直すこともなくなります。明らかな出題ミスは別として、「怪しい問題」があっても、ほとんど議論が出なくなります。正解の公表が、受験生から議論の機会を奪ってしまったのです。
そういう意味で、試験当日に正解を公表するのはやめてほしいと感じています。3日もたてば、怪しい問題に関する議論は収束するので、その時点で正解を公表していただければけっこうです。試験センターが独立行政法人化されて、試験問題、正解、成績などの情報公開が進んだことは大いに歓迎していますが、ご一考願えないでしょうかねぇ?
インターネット時代以前は
今でこそインターネットが当たり前ですが、1990年代半ばまでは情報源が限られていました。
資格学校が解答例を作成し、試験翌日以降に日刊工業新聞や日経産業新聞に掲載していました。会社の教育担当がそれをコピーして、配布してくれたりしたものです。